アロンソのチェルシーの戦術分析|攻撃時は4トップ。守備には課題

プレミアリーグ

26‐27シーズンのチェルシーはレヴァークーゼンを無敗優勝に導いたシャビ・アロンソを4年契約で迎えた。昨季のリーグ順位は10位。監督が2度交代したシーズンだった。

フォーメーション

チェルシーの基本フォーメーション図
図:ダブルボランチにはR・ジェームズ、3CBの右にはフォファナがスタメンで起用されることがある。

基本のフォーメーションは3-4-2-1。新監督のシャビ・アロンソがレヴァークーゼンで無敗優勝を果たしたときの形でもある。

スタメンは試合ごとに入れ替わりがあり特にダブルボランチは序列が不明瞭だったが、守備の門番として欠かせないカイセドがふくらはぎの怪我から復帰したことで不動の地位を勝ち取りそうだ。

カイセドが復帰した5節のボーンマス戦では、リヴァプールのキャプテンだった新加入のジョーダン・ヘンダーソンがカイセドの相方として出場し2得点を挙げている。今季ボランチで起用されてきたリース・ジェームス(本職はSB)が今後どう起用されるのか注目だ。

ビルドアップ

ビルドアップ時には3バックが右へスライドし、左WBのヨレル・ハトが最終ラインまで下がって4‐2‐4のフォーメーションに可変する。ダブルボランチとジョアン・ペドロ、パーマーの4人で中央エリアを攻略し、左サイドのロジャースと右サイドのネトにもスペースを生み出す狙いだ。

チェルシーの選手配置と中盤の構成
図:4‐2‐4に可変した攻撃時のフォーメーション

6節のエヴァートン戦(2-0)では4‐2‐4の両SBを中盤に上げて2‐4‐4になる場面もあった。2-4-4になる時は、2CBとダブルボランチが近い距離で連携することで相手のプレスを中央に引きつけてサイドへのパスコースを確保する。CB2人の間にボランチのカイセドが下りて3バックを形成しビルドアップをサポートすることもあった。

攻撃とキーマン

ジョアン・ペドロ、モーガン・ロジャース、コール・パーマーがチェルシーの得点源だ。もっとも強力なのがボールを奪った直後の速攻である。コンパクトな守備ブロックで構えながらボール奪取のチャンスを伺い、奪った瞬間にジョアン・ペドロ、パーマー、ロジャーズの3人が一気に前へ出る。この3人はいずれも足元の技術に優れており、お互いをアシストできるのも強みだ。

チェルシーの基本フォーメーション図

CFのジョアン・ペドロは今季7節までに5得点3アシストを記録しており、8月のプレミアリーグ月間最優秀選手にも選ばれた。新加入のロジャーズは裏への抜け出しでゴールを狙う。パーマーはチャンスメイカーでドリブルでの突破、パス、キープのすべてを一人でこなすことができる選手だ。

この3人の破壊力は、裏を返せば依存度の高さでもある。第5節のブレントフォード戦はジョアン・ペドロが膝の負傷で欠場。代役でウェルベックが出場したが枠内シュートは1本に終わり0-3で敗れた。右WBのネトやボランチのヘンダーソンのゴールが増えているのは好材料だ。

チェルシーの攻撃陣とキーマン

守備とキーマン

4トップという超攻撃的なフォーメーションはカウンターを受けるリスクと常に隣りあわせだ。ボールを失えば中央とサイドの両方にスペースが生まれやすく、ダブルボランチが広大なスペースをカバーしなければならない。

4トップを構成する攻撃的な選手たちもプレスバックして守備に参加するが相手の攻撃に対して有効な制約をかけられるケースは少ないのが現状だ。5-4-1もしくは4-4-2のブロックを形成して構えて守るケースでも、守備ブロックが簡単に押し込まれてしまいクロスやミドルシュートを打たれるシーンが多い。

守備で最も重要な仕事を担うのはダブルボランチの左を務めるカイセドだ。対人守備とスタミナに優れたミッドフィールダーで中盤の広いスペースをカバーしながらパスコース読み、危険な局面にフタをすることができる。

チェルシーの基本フォーメーション図

昨季からの変化と今後の展望

監督にはシャビ・アロンソが就任した。選手の顔ぶれはGKにはエミリアーノ・マルティネス、CBにはラクロワが加わり、ククレジャはレアル・マドリード、エンソ・フェルナンデスはマンチェスターシティと移籍した。)中盤守備の要であるカイセドが怪我から復帰した今、守備の改善が求められる。

個人的にはFWの選手が主体となって守備をスタートしボールを即時奪回するのが望ましいと思う。4トップという前がかりなフォーメーションだからこそFWの守備が重要なのだ。

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