昨季22年ぶりのリーグ優勝を果たしたアーセナルは、今季は第5節終了時点で4勝1敗の2位(8得点4失点)につけている。ビルドアップの連動性が高く、FW陣は中央の選手もサイドの選手も得点力がある。王者の実力は健在だ。
フォーメーション
ビルドアップ
基本のフォーメーションは4‐2‐3‐1だ。攻撃時はダブルボランチ(デクラン・ライスとルイス=スケリー)の一人が2CBの間に降りて最終ラインの枚数を増やし、ビルドアップをサポートする。右SBのホワイトが低い位置に残ってバランスを取る一方、左SBのカラフィオーリは高い位置をとって攻撃の組み立てに参加する。
最前線にいるカイ・ハヴァーツも必要に応じて中盤へ降りて攻撃の組み立てに参加し、中央では司令塔のマルティン・ウーデゴールが前線へ絶妙なパスを配給する。
攻守の動きとキーマン
ハヴァーツが昨季のチーム内最多得点者であるヴィクトル・ギェケレシュからスタメンの座を奪いつつあるのは、アルテタ監督がCFらしく最前線でのフィニッシュを得意とするギェケレシュよりも、マークしづらくビルドアップにも貢献できるハヴァーツを好むからだろう。
ハヴァーツとウーデゴールがビルドアップに絡むことで相手のディフェンスは中央に集中する。すると今度はサイドのウイングやカラフィオーリにスペースが生まれる。ハヴァーツのビルドアップ参加には相手のディフェンスを混乱させ、味方のサイドアタッカーにスペースと時間を与える効果もあるのだ。もちろんハヴァーツ自身の裏に抜ける動きやミドルシュートも強力な武器だ。今季、ハヴァーツとウーデゴールはどちらも5試合で2得点。偽9番的なハヴァーツとウーデゴールのコンビは、王者に好ましい新風をもたらしているといえる。

強力な得点源は両ウイングによるサイドアタックだ。右ウイングのブカヨ・サカは昨季のプレミアリーグで7得点5アシストと、得点とアシストの両方でチーム内2位の記録を残しており、今季も5試合で3得点と好調を維持している。
左SBのカラフィオーリも見ていて楽しいエキサイティングな選手だ。カラフィオーリは攻撃的なサイドバックで、今季はすでに2アシストを記録している。攻撃の組み立てに関わるだけでなく、3人目、4人目のフィニッシャーにもなれる存在だ。これまでチームの舵を取ってきたウーデゴールやダブルボランチが厳しいマークに遭う中、カラフィオーリはエキサイティングな攻撃のアクセントになっている選手の一人だと思う。

守備ではハイプレスとブロックを使い分ける。ウーデゴールが前に出てハヴァーツと2トップを組む4-4-2のブロックで相手の縦パスをけん制。相手SBには両ウイングが強く寄せ、相手がロングボールを選んだらマンツーマンで相手を捕まえるハイプレスに移行する。敵陣深くで奪うか、ロングボールを蹴らせてこぼれ球を拾う狙いだ。自陣に引いて守る際は、ペナルティエリア手前にコンパクトな4-4-2のブロックを形成し、相手チームのスペースを奪うことで縦パスとサイド攻撃の両方に対応する。
セットプレーでの得点が多いのも強みだ。昨季はセットプレーから25得点を挙げ、そのうちリーグ最多となる19得点をコーナーキックから記録している。
昨季からの変化
基本システムは4-3-3から4-2-3-1へ変わった。選手はサリバの長期離脱を受けてアストン・ヴィラからコンサを加え、中盤にはニューカッスルからブルーノ・ギマランイスを獲得。トロサールとマルティネッリが去った左ウイングには、クラブ・ブルージュからツォリスを迎えている。


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